新着情報 新着情報

新着情報

美術品と減価償却 ~芸術的価値と会計処理~

ブログ
Calendar Icon 2024.11.29

美術品の減価償却については、一般的な減価償却の概念とは異なり特定のルールが適用されることが多いです。ここでは、減価償却の基本的な考え方と美術品に特有のポイントについて説明します。

減価償却の基本
減価償却とは、資産の取得価額をその資産の耐用年数にわたって毎年一定額(又は一定割合)を経費として計上する会計手法です。これにより、資産の価値が使用とともに減少していくことを反映します。

原則減価償却の対象外
多くの国や地域では美術品は通常減価償却の対象外です。美術品は通常、長期間にわたって価値を保持するか逆に価値が増すこともあるため、減価償却のルールが適用されないことが多いです。
 

減価償却資産の範囲 平成26年改正後基本通達より
『時の経過によりその価値の減少しない資産』は減価償却資産に該当しないこととされているが、次に掲げる美術品等は『時の経過によりその価値の減少しない資産』と取り扱う。

⑴ 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの

⑵ ⑴以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)

(注1) 時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。

(注2) 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)は減価償却資産と取り扱う。

国税庁ホームページコンテンツ利用(https://www.nta.go.jp/chuijiko/riyokiyaku.htm)
 
美術品等の耐用年数
美術品等の構造や材質に応じて判定され、例えば、室内装飾品の金属製の彫刻などは15年、金属製以外の絵画などは8年となります。なお、建物本体への彫刻など建物と構造上独立・可分とはいえない場合には、彫刻に要した費用は建物の取得価額に含めて建物とともに償却します。