キャリアアップ助成金

厚生労働省は、非正規雇用で働く方々の処遇改善を目的として「キャリアアップ助成金」の制度を見直して、令和7年4月1日から新たな内容で適用しています。
助成対象や支給額、申請手続きに関する重要な変更が含まれており、企業が制度を活用するに当たっては、早めの理解と準備が求められます。
主な改正点の一つは、「正社員化コース」における助成額の見直しです。
有期契約社員や無期契約社員を正社員へ登用した場合の支給額が、対象者の属性に応じて段階的に設定されています。特に「重点支援対象者」とされる方、たとえば雇用期間が3年以上の非正規労働者、ひとり親、派遣社員、正社員歴が短い求職者などを正社員に登用した場合、中小企業では1人当たり最大80万円の助成金が支給されます。これに該当しない場合でも、登用の内容に応じて40万円、あるいは20万円など、一定額の支給を受けることが可能です。
(注:「新規学卒者」に該当する者については、雇い入れられた日から起算して1年未満の場合は支給対象者から除外されています。)
また、助成金申請に必要な「キャリアアップ計画書」の提出手続きも簡素化されています。
これまで必要だった労働局の事前認定が不要となり、今後は計画書の提出のみで申請が可能となりました。これにより、企業の事務負担が軽減されることが期待されます。
さらに、「賃金規定等改定コース」の支給額も見直されています。
たとえば、非正規社員の基本給を6%以上引き上げた場合、1人当たり7万円が支給されます。引き上げ率に応じて金額は段階的に設定されており、昇給率が3%以上であれば最低4万円の助成金を受けることができ、非正規社員向けに新たな昇給制度を導入した場合には、1事業所につき1回限り、最大20万円の加算支給が認められます。
まとめ
「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度であり、大企業と中小企業では助成金額に差があるものの、様々な事を契機に助成金の受給が可能です。
これらの改正内容は、令和7年4月1日以降に実施される取り組みに対して適用され、厚生労働省のホームページ等で最新情報を確認することができます。
厚生労働省 キャリアアップ助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
お問い合わせ先
キャリアアップ助成金の申請方法や助成額など制度の詳細は、都道府県労働局または最寄りのハローワークにお問い合わせください。
埼玉県労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/home.html
埼玉ハローワーク
https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-hellowork/home.html