防衛特別法人税の創設

令和7年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」により「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防確法)が改正(令和8年4月1日施行)」され、防衛特別法人税が創設されました。
これに伴い、令和8年4年1日以降に開始する事業年度から、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、防衛特別法人税の納税義務者となり防衛特別法人税確定申告書の提出が必要となります。
ただし、中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から年500万円の基礎控除額が設けられており、中小法人では所得が2,400万円程度までは防衛特別法人税が課税されず、全法人の約94%は適用対象外となることが見込まれています。
具体的な防衛特別法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額(各課税事業年度の基準法人税額から年500万円の基礎控除額を控除した金額)に4%の税率を乗じた金額とされ、これにより計算された金額を防衛特別法人税額として申告、納税することになります。
令和8年4月1日以後に開始する課税事業年度の課税標準法人税額が基礎控除額に満たない場合や、所得金額が欠損等の理由により基準法人税額が「0円」となる場合であっても、防衛特別法人税確定申告書を提出する必要がありますので注意が必要です。
そして、課税事業年度の防衛特別法人税の申告書は、法人税及び地方法人税の申告書と一体の申告書様式(「別表一」に新「別表一次葉一」の追加等)とすることが公表されています。
現時点では防衛特別法人税の終了時期は明確に定められておらず、恒久的税制としての性格を持つ可能性があります。
過去の「復興特別法人税(東日本大震災対応)」の事例では、3年間の時限措置とされましたが、今回の防衛特別法人税は防衛力強化の長期的な必要性を鑑みると、数年以上の継続適用が見込まれます。
詳細については、国税庁ホームページに掲載されている「防衛特別法人税の創設」を参照してください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_1.pdf