意外に多い還付加算金の申告漏れに注意! 還付加算金は雑所得として申告の必要あり
多くのサラリーマンは年末調整でその年の税金の精算が終わるため、所得税等の確定申告は関係ないと思われる人も多いですが、確定申告をする義務がない人でも、医療費控除や雑損控除などの適用を受けることによって、予定納税額や源泉徴収されていた所得税が年税額より多くなる場合には、確定申告により所得税の還付が受けられるので注意が必要です。実は、この還付金に対して利息が付いてきます。これを還付加算金といいます。
そして、還付加算金は雑所得の対象になります。そのため、確定申告をする必要がある人や還付を受けようとする人は、還付加算金を他の所得と合算して申告する必要があるわけです。
ところが、還付加算金が雑所得になることを知らない人が多いため、サラリーマンなどで他の所得の合計が20万円以下のような人であれば、申告をする必要はないことから、この還付加算金の申告漏れが意外に多いといいます。
還付加算金の申告は、支払を受けた年分ですることになります。例えば、令和2年分の確定申告の還付金は、通常、令和3年中に入金されます。その際に還付加算金が生じていたのであれば、令和3年中の雑所得として申告することになります。還付加算金の金額は、還付金のお知らせである“国税還付金振込通知書”に記載されています。また、実際に通帳に入金された金額と、確定申告書に記載された還付額の差額を計算しても分かります。
還付加算金は、「還付金額×利率(特例基準割合)×日数÷365」で算定します。令和3年分の利率は1.0%。還付加算金の特例基準割合は「平均貸付割合+0.5%」。平均貸付割合とは、日本銀行が公表する前々年9月から前年8月における「国内銀行の貸出約定平均金利(新規・短期)」の平均をいいます。
還付加算金の計算過程での基準還付金1万円未満の端数は切り捨て、計算の結果、100円未満は切り捨てます。なお、還付加算金の全額が1,000円未満の場合、還付加算金は加算されません。
還付加算金は益金算入されますが、本税の還付金(法人税・所得税等そのものの還付金)は益金不算入なので注意が必要です。法人税や所得税、住民税の本税は、支払った際に損金算入できないので、反対に返還された還付金も益金不算入となるわけです。また、消費税上の取扱いは、非課税取引ではなく不課税取引となるので、課税売上割合を計算する場合、分母に含めないことに留意する必要があります。