令和4年度税制改正法が3月22日に成立 賃上げ税制の拡充や住宅ローン減税の改正
令和4年度税制改正法である所得税法等の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律案が3月22日、参院本会議で賛成多数で可決、成立しました。両法律案は、別段の定めのあるものを除き、令和4年4月1日から施行します。
所得税法等の一部を改正する法律案は、成長と分配の好循環の実現に向けた積極的な賃上げ等の促進、カーボンニュートラルの実現等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うものです。
その主な内容は、法人課税では、賃上げに係る税制措置を拡充します。大企業等については、現行制度を抜本的に見直し、積極的な賃上げを促す観点から、継続雇用者の給与総額を3%以上増加させた場合に、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の15%の税額控除を行うとともに、賃上げや人材投資(教育訓練費の増加)に積極的な企業に対しては、税額控除率を上乗せし、最大30%を税額控除できる制度とします。
その際、一定規模以上の大企業に対しては、給与の引上げの方針、取引先との適切な関係の構築の方針等を公表していることを要件とします。中小企業においては、積極的な賃上げや人材投資を促す観点から、全雇用者の給与総額を1.5%以上増加させた場合、15%の税額控除(2.5%以上増加の場合(+15%)、教育訓練費を1割以上増加の場合(+10%)、それぞれ控除率を上乗せ)とし、税額控除率を最大40%に引き上げます。
個人所得課税では、住宅ローン控除について、適用期限を延長し、令和7年末までの入居者を対象とするとともに、省エネ性能等の高い認定住宅等につき、新築住宅等・既存住宅ともに、借入限度額の上乗せを行います。控除率は0.7%とするとともに、所得要件を2000万円とする等の見直しを行います。
資産課税では、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を見直し、限度額を最大1000万円とした上で、2年延長します。
国内雇用者の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用のうち一定のものをいいます。具体的には、法人が教育訓練等を自ら行う場合の費用(外部講師謝金等、外部施設使用料等)、他者に委託して教育訓練等を行わせる場合の費用(研修委託費等)、他者が行う教育訓練等に参加させる場合の費用(外部研修参加費等)など。上乗せ措置の適用には教育訓練費の明細を記載した書類の保存が必要になります。