2023年度税制改正でのインボイスの見直し 新たな課税事業者の納付税額を2割に軽減
適格請求書等保存方式(インボイス制度)は今年10月にスタートしますが、2023年度税制改正では、その円滑な実施に向けた見直しが行われます。
まず、免税事業者から消費税を納める課税事業者となる事業者の負担を軽減する緩和措置として、2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する各課税期間までに新たに課税事業者となる場合は、納付税額をその課税標準額に対する消費税額の2割に軽減する経過措置が設けられます。
次に、インボイス発行事業者登録制度については、免税事業者がインボイス発行事業者の登録申請書を提出し、課税期間の初日から登録を受けようとする場合には、その課税期間の初日から起算して15日前の日(現行は、その課税期間の初日の前日から起算して1月前の日)までに登録申請書を提出しなければならないことになります。この場合に、その課税期間の初日後に登録されたときは、同日に登録を受けたものとみなされます。これは、2023年3月31日の登録申請期限について柔軟な対応を行うものです。
また、インボイス発行事業者が登録の取消しを求める届出書を提出し、その提出があった課税期間の翌課税期間の初日から登録を取り消そうとする場合には、その課税期間の初日から起算して15日前の日(現行は、その提出があった課税期間の末日から起算して30日前の日の前日)までに届出書を提出しなければならないことになります。
そのほか、インボイス発行事業者の登録等に関する経過措置の適用により、2023年10月1日後に登録を受けようとする免税事業者は、その登録申請書に、提出する日から15日を経過する日以後の日を登録希望日として記載します。なお、2023年10月1日からインボイス発行事業者の登録を受けようとする事業者が、その申請期限後に提出する登録申請書に記載する困難な事情については、運用上、記載がなくても改めて求めません。
小規模事業者である買手の事務負担軽減措置として、基準期間における課税売上高1億円以下又は特定期間における課税売上高が5000万円以下の事業者が、2023年10月1日から2029年9月30日までの6年間に行う課税仕入について、その課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみを保存すればインボイスがなくても仕入税額控除を行う経過措置が講じられます。