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ストック・オプション税制の利便性の向上 新株予約権の限度額を年3600万円に引上げ

コラム
Calendar Icon 2024.02.15
ストック・オプション税制の利便性の向上 新株予約権の限度額を年3600万円に引上げ

ストック・オプション(S・O)とは、会社が自社または子会社の従業員、役員等に対して付与する自社株式を一定の期間内にあらかじめ定められた権利行使価格で購入することができる権利をいいます。資金が限られるスタートアップにとって、ストック・オプションは、優秀な人材を集める有効な手段として期待されています。2024年度税制改正においては、そのストック・オプション税制が拡充されます。
具体的には、新株予約権の行使に係る権利行使価額の限度額について、設立の日以後の期間が5年未満の株式会社が付与する新株予約権については、その限度額を年2400万円(現行:年1200万円)に引き上げ、一定の株式会社が付与する新株予約権については、その限度額を年3600万円(現行:年1200万円)に引き上げます。
上記の「一定の株式会社」とは、設立後5年以上20年未満の株式会社で、上場等後の期間が5年未満であるものをいいます。
また、中小企業等経営強化法施行規則の改正を前提に、適用対象となる特定従事者に係る要件の見直しを行います。
まず、認定新規中小企業者等に係る要件のうち「新事業活動に係る投資及び指導を行うことを業とする者が新規中小企業者等の株式を最初に取得する時において、資本金の額が5億円未満かつ常時使用する従業員の数が900人以下の会社であること」との要件を廃止します。
次に、税制の適用対象となる社外高度人材に係る要件について、「3年以上の実務経験があること」との要件を、金融商品取引所に上場されている株式等の発行者である会社の役員については「1年以上の実務経験があること」とし、弁護士や会計士など国家資格を有する者、博士の学位を有する者及び高度専門職の在留資格をもって在留している者については廃止します。これによって、幅広い人材が確保しやすくなります。

社外高度人材の範囲

社外高度人材の範囲については、(1)教授及び准教授、(2)金融商品取引所に上場されている株式等の発行者である会社の重要な使用人として、1年以上の実務経験がある者、(3)金融商品取引所に上場されている株式等の発行者である会社以外の一定の会社の役員及び重要な使用人として、1年以上の実務経験がある者などが加えられ、スタートアップにおける外部の優秀な人材・協力者を集めやすくします。