相続税の課税割合は初の10%超えに地価上昇や相続人減少等により課税対象拡大
令和6年度の被相続人数(死亡者数)は160万5,378人で、うち相続税の課税対象となったのは16万6,730人であることを国税庁が公表しました。相続税の課税割合は10.4%で、昭和42年分以降では初めて10%を超えています。また、その課税価格の総額は前年度に比べ8.1%増えて23 兆 3,846 億円、申告税額の総額は3兆2,446 億円(同8.0%増)と増加し、いずれも基礎控除額の引下げがあった平成27年分以降で最高でした。一方、同年度に行った相続税の実地調査件数は前年度に比べ11.2%増の9,512件でした。このうち申告漏れ等の非違件数は7,826件(同8.7%増)で、追徴税額は平成27年度以降で最高の824億円(同12.2%増)となっています。実地調査のほかに文書や電話による連絡、来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正する「簡易な接触」の件数は2万1,969件(同17.0%増)でした。そのうち申告漏れ等の非違件数は5,796件(同14.1%増)、申告漏れ課税価格は1,123億円(同17.8%増)、追徴税額は138億円(同13.0%増)で、ともに5年連続で過去最高となっています。無申告事案に対しては、650件の実地調査を行い、申告漏れ課税価格は749億円でした。国税庁では無申告事案については、納税者の税に対する公平感を著しく損なうものとの認識から資料情報の収集・活用など積極的に行っており、追徴税額は142億円(同15.3%増)となっています。1件当たりの追徴税額は2,187万円(同22.4%増)となり、いずれも3年連続で過去最高を更新しました。また、贈与税の調査についても無申告事案を中心に実施しており、年度においては、実地調査件数は 2,778 件で前年度に比べると減少したものの、追徴税額は123 億円(同14.0%増)と増加しました。同庁では、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努め、贈与税調査も進めていく意向です。
被相続人から相続等により財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額から「3,000万円に法定相続人1人あたり600万円」の基礎控除額を差し引いたものが課税遺産総額となります。課税対象が広がっているのは、平成27年の改正でこの基礎控除額がそれまでの「5,000万円に法定相続人1人あたり1,000万円」から引き下げられたことに加え、地価上昇や少子高齢化に伴う相続人の減少なども要因と見られています。