令和5年度ふるさと納税調査結果発表 納税受入額導入後初の1兆円突破!
この度、総務省が公表した「ふるさと納税に関する現況調査結果の概要」によれば、令和5年度の納税受入額が前年比約1.2倍の1兆1,175億円に達して、本制度導入後、初めて1兆円を突破しました。
ふるさと納税の受入額が多い上位5団体は下記の通りです。
1.宮崎県 都城市(受入額 19,384百万円:受入件数 1,012,796件)
2.北海道 紋別市(同 19,213百万円:同 1,243,201件)
3.大阪府 泉佐野市(同 17,514百万円:同 1,174,877件)
4.北海道 白糠町(同 16,778百万円:同 1,074,349件)
5.北海道 別海町(同 13,903百万円:同 923,046件)
ふるさと納税の返戻品で何かと話題に上がる大阪府泉佐野市を除き、地方が上位を占め、中でも北海道から3団体が名を連ね、人気ぶりが伺い知れました。
一方で、これを反映させた令和6年度住民税の課税で市町村民税控除額が多い上位5団体は次の通りです。
1.神奈川県 横浜市(控除額 30,467百万円:適用者数 439,267人)
2.愛知県 名古屋市(同 17,654百万円:同 255,163人)
3.大阪府 大阪市(同 16,655百万円:同 279,922人)
4.神奈川県 川崎市(同 13,578百万円:同 207,616人)
5.東京都 世田谷区(同 11,028百万円:同 146,812人)
ふるさと納税による地方と大都市部のコントラストがあらためて浮き彫りにされました。
ちなみに、市町村民税の控除額を適用者数で割った一人当たりの平均額は、ランク11位の東京都港区が約15万円と最上位になっています。
住民税課税原資の流出に頭を痛める地方公共団体では、あの手この手で対策を講じているものの、思うような成果を上げられず苦心している現状であり、ふるさと納税の抜本的な制度変更を求める声も上がるなど、今後の動向を注視していきたいものです。
ふるさと納税とは、国から指定を受けた地方公共団体に対して個人が寄付をした場合、寄附額のうち2千円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限があります)。控除を受けるためには、原則、確定申告を行う必要があります。ただし、確定申告が不要な方で、ふるさと納税の寄附先が5団体以内の場合には、寄附先の団体に申請することで控除が可能となります。