投資促進税制の新設と賃上げ税制の縮小令和8年度 法人税関係の改正ポイント
令和8年度税制改正のなかで法人税関係の改正としては、「特定生産性向上設備等投資促進税制」の新設が注目されていますが、このほか「賃上げ促進税制」の縮小や「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例」の創設などいくつか重要な改正も行われています。4,000億円以上の減税を見込む「特定生産性向上設備等投資促進税制」は、「特定機械装置等」の取得等をし、国内にあるその法人の事業の用(貸付けの用を除く)に供する場合に、即時償却か取得価額の7%(建物、建物附属設備及び構築物は4%)の税額控除(当期の法人税額の20%が上限)の適用が受けられるというものです。対象企業の規模や業種に制限はないものの、特定生産性向上設備等に係る確認を受けて5年内に取得等することや投資計画に記載された設備投資の合計額が中小企業者等は5億円以上(大企業は35億円以上)、年平均の投資利益率が15%以上などの一定の基準をクリアすることが必要になります。また、賃上げ促進税制は概ね縮小の方向となります。4段階の控除率が設けられていた大企業向け(全法人向け)の措置が令和8年3月31日で廃止されます。常時使用する従業員数2,000人以下の法人が対象となる中堅企業向け措置については、継続雇用者給与等支給額の対前年度比増加割合4%以上(現行は3%以上)の場合における税額控除率を10%とするなどの拡充の見直しは行われますが、適用期限である令和9年3月31日で廃止とされています(税制改正大綱)。そのほか、中小企業向けの措置については、教育訓練費に係る上乗せ措置が廃止されます。新たに設けられる「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例」は、関連者との間で特定取引を行った場合に、取引関連書類等にその取引に関する資産や役務の提供の明細、支払う対価の額の計算明細など必要な事項の記載や記録の保存が求められるものです。行われていないと青色申告の承認の取消事由等にもなります。企業グループ内の法人間で行われる取引については、とかく恣意的な調整が行われやすいことなどが創設の背景と見られます。
特定生産性向上設備等に該当する機械装置、工具・器具備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウエアのことを指します。取得価額要件もあり、たとえば機械装置は1台1基が160万円以上、工具・器具備品は120万円以上(単価40万円以上で期中の取得価額合計120万円以上)、建物1,000万円以上、ソフトウエア70万円以上のものなどとなっています。なお、事務用器具備品、本店、寄宿舎等の建物、福利厚生施設等は該当しません。