「調査等」で過去最高の1,431億円を追徴 調査対象選定にAIを活用し効率化図る
国税庁はこのほど令和6事務年度の所得税及び消費税調査等の状況をとりまとめました。それによると、「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」の合計件数は73万6,000件(前年度60万5,000件)で、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は36万9,000件でした。また、「調査等」による申告漏れ所得金額は9,317 億円(前年度9,964 億円)、追徴税額は前年度の1,398 億円から2.4%増えて1,431億円となり、過去最高となっています。実地調査による追徴税額1,132億円のうち特別調査・一般調査は1,090億円、着眼調査は42億円で、簡易な接触は299億円となっています。同庁では、調査選定にAIを活用するなどの効率的かつ的確に調査等を行った結果としています。
同庁は、海外投資など資産運用の国際化に対応した重点的な取組みとして富裕層への調査も強化しています。富裕層に対する調査の1件当たりの追徴税額は855万円、特に海外投資等を行っている富裕層に対する調査1件当たりの追徴税額は1,595万円となっており、実地調査(特別・一般)全体の299万円に比べても極めて高い金額となっています。
このほか、 インターネット上のプラットフォームを介して行うシェアリングエコノミーなど新分野の経済活動に係る取引や暗号資産(仮想通貨)等取引などに対しても積極的に調査を行っています。シェアリングエコノミー等関連については1,155件を調査、うち989件の非違を把握しています。暗号資産等取引では613件の調査を行い、非違件数は575件となっており、1件当たりの追徴税額は745万円(前年度比12.5%増)でした。
無申告事案については、所得税では4,812件を実地調査し、追徴税額は252億円で、税額は過去最高となりました。消費税無申告者に対しての実地調査件数は5,575件、追徴税額は165億円となっています。当局ではネット関連を含め様々な分野の取引にも調査を進めており、申告の際には再度確認したいところです。
シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人と個人・企業等との間で活用可能な資産(場所・モノ・スキル等)を共有・取引する新しい経済活動です。シェアリングエコノミーは、主に5つのサービスに分類されます。①空間:会議室、駐車場、民泊、ホームシェア等。②モノ:フリーマーケット、レンタルサービス等。③スキル:家事代行、育児、介護、知識等。④移動:シェアサイクル、カーシェア等。⑤お金:クラウドファンディング等。