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電子取引データの保存制度などを見直し 納税環境の整備に関する改正のポイント

コラム
Calendar Icon 2025.06.05
電子取引データの保存制度などを見直し 納税環境の整備に関する改正のポイント

令和7年度税制改正の中では、納税環境の整備の一環としてe-Tax利用促進に資する要件の拡充やペーパーレス促進、セキュリティーの観点から電子取引データ保存についての要件見直しなども行われています。
経済社会のデジタル化に伴い、取引に係るやり取りから会計・税務までのデジタル化に対応する観点から、電子取引データの保存要件が見直され、一定の送受信・保存を行う場合、重加算税が除外されることとなっています。電子取引データに関する隠蔽、仮装行為があった時は10%の重加算税が課されますが、国税庁長官が定める基準に適合するシステム(特定電子計算機処理システム)を使用した上で、データの改ざんの防止と適正記帳の確保、電子取引データと電子帳簿の関連性を相互に確認できるようにするなどの要件を満たすと重加算税の対象から除かれることとなりました。この改正は、令和9年1月1日以後に法定期限等が到来する国税について適用されます(所得税については令和9年分以後について適用)。
また、e-Taxで添付書類をイメージデータとして提出する場合の要件が緩和されています。e-Taxでの申告や申請を行う場合に、スキャナやスマートフォンでの読み取り及び撮影で電子データとして送信することが認められていますが、その場合のデータはフルカラー及びPDF形式とされていました。これをスキャナによる読み取りをグレースケールでも認めることとし、イメージデータでの送信のファイル形式についてはJPEG形式での送信が追加されています。グレースケールによる読み取りの改正は令和7年4月1日から、送信のファイル形式について令和10年1月1日から施行されます。
その他、所得税の確定申告書類に添付する生命保険料控除などの控除証明書の提出が必要ですが、これらの証明書の代わりに明細書が添付できることとされました。令和8年以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合から適用されます。

国税関係手続の簡素化

国税庁は納税者の利便性向上のため、国税関係の手続きの簡素化を近年進めています。国税当局が他の添付書類や行政機関間の情報連携等で記載事項の確認を行うことにより、添付が不要となっているものもあります。例えば、所得税の確定申告書に給与所得、公的年金等の源泉徴収票や上場株式配当等の支払通知書等、相続時精算課税の贈与税申告での住民票の写しが不要になっています。今後もe-Tax等の促進を含め推進していく方針です。