中小企業経営強化で100億円企業の創出! 経済産業省が令和7年度税制改正に要望
令和7年度税制改正に向けて、各関係省庁から様々な要望事項が出揃いつつあります。
経済産業省の要望には、中小企業経営強化税制の拡充及び延長、地域未来投資促進税制の拡充及び延長、産業用地整備促進税制の創設、エンジェル税制の拡充、法人版・個人版事業承継税制の見直しなど、中小企業の成長を促進する施策が盛り込まれました。
「中小企業経営強化税制の拡充及び延長」では、中小企業の成長を後押しし、中堅企業への成長ポテンシャルが高い、売上高が100億円を超える中小企業(100億企業)の創出を推進するため、中小企業経営強化税制(即時償却または税額控除(最大10%))の適用期限の2年間延長、さらに、100億企業を目指す中小企業に対する上乗せ措置の創設を要望しています。
100億企業の創出促進を行う理由として、100億企業は高いレベルで外需と内需を取り込み、収益を上げて生産性向上を図り、賃上げを実現し、人口減少社会においても地域経済の好循環を先導する存在であるとし、経済成長を実現する上で、各地域に100億企業のような成長中小企業を創出することが重要であるとしました。
現状のところ、100億企業は4500社程度と推計されていますが、中堅企業へ押し上げるためにも、シームレスに成長を目指せる環境整備など政策による強力な後押しが必要になります。
また、人手不足や物価高騰など厳しい経営環境において、中小企業における成長や規模拡大を促進するとともに、持続的な賃上げへの好循環を生み出す観点から、中小企業投資促進税制(特別償却30%または税額控除(7%))の延長及び中小企業軽減税率(所得800万円まで法人税率を19%→15%に軽減)の延長を要望しました。
周知の通り、国会情勢は少数与党と野党勢力のせめぎ合いが想定され、税制改正の動向には例年以上に注視する必要がありそうです。
経済産業省は、経営者の高齢化の進展等を鑑み、中小企業の事業承継を一層後押しし、生産性向上・成長への支援を強化する観点から、事業承継税制の特例措置について、適用期限が到来するまでの間、本税制を最大限に活用できるよう、役員就任要件の見直し等を要望しました。また、本税制の適用期間における事業承継の取組等も踏まえて、円滑な事業承継のために必要な措置について検討することを要望しています。