国税庁 非上場の相続評価見直しへ! 評価額のかい離による回避スキームに対応
国税庁は取引相場のない株式(非上場株式)の評価方式の見直しを進めている。現在の財産評価基本通達は昭和39年に制定され、改正を重ねてきたが、今回大幅な見直しとなれば多くの非上場会社への影響も必須となるでしょう。
国税庁は、令和6年の会計検査院の指摘を踏まえ、相続時に評価額を意図的に下げての税負担を軽減する動きなどの非上場株式の評価の問題に対応するため評価の見直しの方向性を示しています。
非上場株式の評価に関しての会計検査院の指摘では「原則的評価方式の一つである類似業種比準価額が純資産価額の評価額に比べて相当程度低く算定されていること、特例的評価方式である配当還元方式の還元率が近年に金利水準に比して相対的に高くなっていること」をあげています。
類似業種比準価額については、評価会社の規模が大きい区分ほど株式の評価額が相対的に低く算定される傾向があり、類似業種比準価額が下がる方向で評価通達が改正されてきたことや評価通達の計算式が評価会社の業績等の実態を踏まえて株式を評価する方法として適切に機能していないおそれがあるとされました。また、配当還元方式については、10%の還元率に基づいて算定される評価額は通達制定当時と比べての低さを課題としています。
こうした評価方式間の評価額の乖離が誘因となり、昨今純資産価額方式の適用を回避しようとするスキームの存在も問題となっています。恣意的に会社規模を変化させて評価額を圧縮する手法や資本移転などにより純資産を圧縮するなどさまざまなスキームがあるといわれるが、こうした手法に対して国税庁では、「通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる」として個別に課税処分を行わざるを得ない状況でもあります。
今後の推移としては有識者会議の議論を経た上で見直し案をとりまとめ、令和9年度税制改正大綱に盛り込みたい意向のようだ。新たな評価方式の動向には注視していきましょう。
上場株式、気配相場等のある株式以外の株式をいい、その会社が同族株主等かそれ以外の区分により、原則的評価方式または特例的な評価方式(配当還元方式)により評価します。原則的評価は総資産価額、従業員数、取引金額により大会社、中会社、小会社の3つに区分し、大会社は原則として類似業種比準方式により、小会社は原則として純資産価額方式により、中会社は大会社と小会社の評価方法を併用してそれぞれ評価します。