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相続税の課税割合は9.9%、過去最高に 国税庁 令和5年分相続税申告事績を公表

コラム
Calendar Icon 2025.01.27
相続税の課税割合は9.9%、過去最高に 国税庁 令和5年分相続税申告事績を公表

国税庁がこのほど公表した令和5年分の相続税の申告事績の概要によると、同年分の被相続人数(死亡者数)は前年比100.4%の157万6,016人で、このうち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は15万5,740人(前年比103.2%)でした。
これにより被相続人数に占める相続税の申告書の提出に係る被相続人数の課税割合は9.9%と昭和42年分以降で過去最高となっています。課税割合は平成27年に8%台になってからほぼ増加傾向で今回10%近くに上昇しています。
また、相続税の課税価格の総額は21兆6,335億円で前年比104.6%となっていますが、これも昭和42年分以降で過去最高を更新しました。申告税額の総額は3兆53億円で前年の2兆7,989億円を7.4%上回っています。被相続人一人当たりの課税価格は1億3,891万円、税額にして1,930万円となり、対前年比はそれぞれ101.3%、 104.0%となりました。
相続財産別にみると、最も多いのが現金・預貯金等で7兆9,633億円(前年比104.4%)、次いで土地で7兆1,425億円(同101.0%)、有価証券3兆8,779億円(同108.6%)、金地金を含むその他が2兆5,817億円(同103.8%)、家屋1兆1,452億円(同103.2%)となりました。
相続財産の構成比を見ると、令和3年分から現金・預貯金等が首位で、それまでの土地から入れ替わっています。相続財産の金額ベースではすべての項目で増加し、過去10年分で見ると最高となっています。
なお、令和5年度における相続税の申告のe-Tax 利用件数は8.5 万件で前年度に比べ2.4 万件、38.7%増加しています。e-Taxの 利用率は37.1%と前年度に比べ7.6 ポイント上昇していますが、国税庁では相続税については令和6年度のe-Tax 利用率の目標値を48%に設定し、よりe-Taxの利用を促進していきたいとしています。

e-Tax

税務行政のデジタル化の一環として、あらゆる手続が税務署に行かずにできるように様々な国税の各種手続きをインターネット等により手続が行えるシステムで、国税庁が開発し平成16年から運用を開始しています。所得税、相続税、贈与税、法人税、消費税などに係る申告や納税、法定調書の提出、各申請届出等が行えます。対応のソフトで会計処理から納税まで電子処理できるとして、国税庁は利用促進の広報周知を図っています。