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総額9741億円にのぼる法人の申告漏れ 調査件数の22.3%から悪質な仮装・隠蔽!

コラム
Calendar Icon 2024.12.25
総額9741億円にのぼる法人の申告漏れ 調査件数の22.3%から悪質な仮装・隠蔽!

国税庁が公表した令和5事務年度(令和5年7月~同6年6月)における法人税等の調査事績によると、大口・悪質な不正計算等が想定されるなど調査必要度の高い5万9千法人(前年対比94.6%)を実地調査した結果、総額9,741億円(同124.9%)の申告漏れを見つけました。追徴税額は3,197億円(同99.1%)で、直近10年において2番目に高い金額となり、調査1件当たりの追徴税額は549万7千円(同104.9%)になりました。
調査件数の22.3%に当たる1万3千件が故意に所得を仮装・隠蔽するなどの不正を行っており、その不正所得金額は2,775億円で、1件当たりでは2,124万5千円となっています。
また、申告内容に誤り等が想定される法人を対象に簡易な接触により自発的な申告内容の見直し要請を7万件実施したところ、申告漏れ所得金額は92億円で過去最高を記録しました。
法人税等調査の主要な取組として、①消費税還付申告法人に対する取組、②海外取引法人等に対する取組、③無申告法人に対する取組の3つが挙げられています。
消費税還付申告法人に対する取組では、総額390億円が追徴課税となり、そのうち不正還付分は81億円となりました。
海外取引法人等に対する取組においては、増加する輸出入取引や海外投資を行う法人を対象に厳正な調査を実施しており、海外取引に係る申告漏れ所得として総額2,870億円を把握し、海外取引に係る源泉徴収漏れとして総額46億円を追徴しています。
無申告法人に対する取組では、総額219億円を追徴し、うち不正計算があった法人に係る追徴税額は101億円となっています。
不正を業種別にみると、不正発見割合の高い10業種では、前年ランク外であった「バー・クラブ」がワースト1位。以下、前年ワースト1位の「その他の飲食」が2位、前年ランク外の「外国料理」が3位、前年4位の「土木工事」が本年も4位、「美容」が前年10位から大幅にアップし5位となっています。

仮装・隠蔽の判断基準

仮装隠蔽行為の判断基準として、国税庁は以下のような例を示しています。①二重帳簿の作成。②帳簿や証憑書類等の決算関係書類の隠匿、虚偽記載等。③損金算入や税額控除の要件となる証明書等の改ざんまたは虚偽申請により証明書の交付を受ける。④簿外資産に係る利息や賃貸料収入等を計上しない。⑤簿外資金から役員賞与等の費用を支出する。⑥同族会社であるにも関わらず株式を架空の者等に分割する等により非同族会社としている。